2006年07月11日

カミュ「異邦人」

「私はこの社員に対してクビを要求します。そしてクビを要求してもさっぱりとした気持ちです。
思うに、在職もすでに長く、その間、幾たびかクビを要求しましたが、今日ほど、この苦痛な義務が、1つの至上、神聖な命令の意識と、非生産的なもの以外、何1つ読み取れないプロジェクトのプロマネを前にして私の感ずる恐怖とによって、償われ、釣合いがとれ、光をうけるように感じたことは、かつてないことです」

話を終えた人事部長が腰をおろすと、かなり長い沈黙が続いた。
私は暑さと驚きとにぼんやりしていた。

取締役が少し咳をした。
ごく低い声で、何かいい足すことはないか、と私に尋ねた。
私は立ち上がった。

私は話したいと思っていたので、多少出まかせに、故意にプロジェクトを破綻させようとしていたわけではない、といった。

取締役は、それは1つの主張だ、と答え、これまでの君自身の弁明はうまくいっていないように思うので、君の上司に話を聞く前に、君がプロジェクトを破綻させた原因だけでもはっきりしてもらえれば幸いだ、といった。

私は、早口にすこし言葉をもつれさせながら、そして、自分の滑稽さを承知しつつ、それは太陽のせいだ、と述べた。

==============================================
いえ、ちょっと……不条理な気持ちだったので

人気blogランキング
posted by MW at 00:47| Comment(3) | TrackBack(3) | 文学 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
一晩お付き合いしてください
Posted by まゆみ at 2006年07月15日 08:28
そして世界のやさしい無関心に心を開かれたのですね。
Posted by もぐもぐボンゴ at 2006年07月20日 15:32
fkしいcjA++CSKmjkisdjfCVi;kぃいいccj
Posted by jjjjっじいyひいい at 2007年03月13日 17:48
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

この記事へのトラックバックURL
http://blog.seesaa.jp/tb/20598459

この記事へのトラックバック

自分がヨソモノのように感じたらコレ
Excerpt: カミュ著・『異邦人』。普通に生活しているんだけれどなんとなく世間とずれている人が主人公の小説。 普段は本人も特に気にせず暮らしていたのだけれど、ひょんなことで殺人を犯してしまってから彼はようやく..
Weblog: デスノートがほしいあなたへ
Tracked: 2006-11-05 21:51

正直と事実の溝、『異邦人』(1942年 カミュ)。
Excerpt: “L'ETRANGER”が原題の『異邦人』。何処に“異邦人”のメタファーが組み込まれているのか、最後まではっきりイメージできなかった。 主人公の青年ムルソーが、周囲が彼について築こうとする虚像に対し..
Weblog: 五感の結び目。
Tracked: 2007-02-03 13:48

カミュ『異邦人』
Excerpt: 異邦人 (新潮文庫)カミュ新潮社このアイテムの詳細を見る 今回は、カミュ『異邦人』を紹介します。物語はP130ほどしかないので、すぐに読めると思う。主人公ムルソーは、母が亡くなっても涙ひとつ見せずに..
Weblog: itchy1976の日記
Tracked: 2010-04-18 18:40
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。