2008年03月22日

ねこまた

「自社内に、営業といふものありて、技術者を僻地へ飛ばさんとす」と人の言ひけるに、「自社ならねども、現場にも、えすいーが技術を捨て、営業に成りて、技術者を飛ばす事はあんなるものを」と言ふ者ありけるを、うぇぶあぷりとかや、開発しけるえすいーの、えふ系の辺りに派遣されたるが聞きて、案件に空きが出ぬ様心すべきことにこそと思ひける比しも、或案件の納品が終わり、たゞ独り空きができ家に帰りたるに、携帯の着信にて、音に聞きし営業、あやまたず、小声でふと話し出し、やがて流れのままに、海外案件とか言はんとす。

肝心も失せて、断わらんとするに理由もなく、口では敵わず、携帯越しに頭を下げて、「助けよや、営業よやよや」と叫べば、寝室より、灯りをつけて妻が走り寄りて見れば、泣きそうな顔をした夫なり。「こは如何に」とて、背中に手を当てたれば、携帯の通話は切れて、袖・襟などのところどころが、涙に濡れぬ。稀有にして飛ばされることになりて、翌々日には飛行機に乗りけり。

海外案件の、嫌がらんも、立場を知りて、従いたりけるとぞ。
posted by MW at 01:49| Comment(1) | TrackBack(0) | 文学 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
ウチのプログラマーさんは本当に飛ばされました・・・
Posted by take at 2008年03月27日 21:01
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